産み分け実践の前に必要な性染色体と遺伝の知識

実は、この男女の性比をコントロールしようという試みは、いま、現代になって生じた科学的な方法というわけではないのです。遠くギリシャ・ローマの時代から洋の東西を問わずに行われてきました。右の睾丸をしばって性交すれば、男の子ができるなどというアリストテレスなどの学説もあったくらいです。しかし、これらはみんな、迷信や俗説の範囲にとどまっていました。どれも、実効性の欠けたものだったのです。いま、初めて実用的な「産み分け」ができる時代になったといえるのです.

男女の産み分けは、性比のコントロールです。生まれてくるこの性の比率をコントロールしようということですから、性の決定にかかわる性染色体の組み合わせや構成、あるいは、生まれてくる子が、親の性質を引き継ぐ遺伝、そして、男の精子に含まれているX、Yの性染色体のことなども、ほんのおおよそでも知っておく必要があるでしょう。

生まれてくる子が、親の諸性質を引き継ぐのが遺伝です。それが、よい性質だけを引き継ぐのであれば問題はありませんが、わるい性質を引き継いで誕生したとき、その子あるいはその周辺は、悲劇的な様相を呈します。この「遺伝」の主役を演じるのが、性染色体です。これらのことは、この次で、ごく簡単に説明しておきます。

子に伝える伴性劣性遺伝疾患の予防のために

「少産」のなかで、先の数人の子が同じ性の場合、次の子に違う性の子を望むという傾向がこのところさらに極端になって、最近では、第一子から希望する性の子が欲しいというわけで、病院を訪れる夫婦が増加しているという事実もあります。

これは、一概にいいとかわるいとかいえる問題でもなさそうですし、また、人間の倫理の問題もからんできますから、ここでは触れないでおきますが、いろいろ考えてみなければならないことを、多く含んでいそうです。

それはそれとして、男性、女性を産み分けるという方法が、大きな意味をもっているのは、それが医学的な見地から、親から子に伝える伴性劣性遺伝疾患の予防のために使われるということなのです。

これは、例えば、生まれる子が男児なら発症するけれど、女児なら発症しないという遺伝病のことで、血友病や赤緑色盲、筋ジストロフィI症その他いろいろあります。もし、生まれる子が男の子だったら、確実にその伴性劣性遺伝の疾患をもって生まれるとわかっていたとき、あなたならどうしようとしますか?考える余地もありません。そうでない性の子を強く望むのは、ごくごく当然のことです。

色盲の男の子をもち、その子の苦しみ、辛さを分け合って生きてきた母親に、また男の子かもしれない妊娠をすすめられますか?もう、妊娠はしてはいけませんよと一方的に宣告できますか?こんな人たちにとって、産み分け法は、選択の余地のない選択になるのは、わかりきったことと思えます。

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